今回は、3つ目のマジックフレーズ、感謝の言葉を伝えるです。
感謝の言葉として、最も良く使われる言葉が「ありがとう」と、いう言葉ではないでしょうか。
「ありがとう」の由来
「ありがとう」は、形容詞の「有り難し(ありがたし)」の連用形からきた言葉なのだそうです。
「有り難し」は読んで字のごとく、「有ることが難い」という意味で、元々は「滅多に無い」、「珍しくて貴重である」と、いう意味があったそうです。
マズローの欲求5段階説
マズローの欲求5段階説と、いうものがあります。
心理学者のA.H.マズローが1950年代に提唱した説で、人の欲求は低次元の欲求から高次元の欲求まで5段階の階層をなしていて、低次元の欲求が満たされると次の欲求段階に進むとされています。
5 ┌ 自己実現の欲求 ┐ <高次元>
4 ┌┘ 自我の欲求 └┐ ↑
3 ┌┘ 社会的欲求 └┐ │
2 ┌┘ 安全の欲求 └┐ ↓
1 ┌┘ 生理的欲求 └┐ <低次元>
※参考:「天使と悪魔のビジネス用語辞典」
「4:自我の欲求」は、他者からの尊敬や賞賛をされたいとする欲求とされており、この中には、「人から感謝されたい」という欲求も含まれます。
私も、人から感謝されることが大好きです。(^^
かの松下幸之助さんも、こんな言葉を残しています。
『「ありがとう」言う方は何気なくても、言われた方はうれしい。「ありがとう」これをもっと素直に言い合おう』
どうやら、感謝されて嬉しいのは私だけではないようです。(^-^)
期待とギャップ
こんな簡単な例を、考えてみましょう。
オフィスに、AさんとBさんがいます。
Aさんは、Bさんの為にお茶を入れてあげました。
この場合、AさんとBさんの心理について考えてみましょう。
【 Aさんの気持 】
A-1:お茶を入れてあげたのだからBさんから感謝されるはず。
A-2:特に何も気にしない、当たり前のことをしただけ。
【 Bさんの気持 】
B-1:Aさんは良い人だなぁ、ありがとう。
B-2:特に何も気にしない、当たり前のことをしただけ。
Aさんの気持、Bさんの気持、どちらも2通りありますので全部で4パターンの組み合わせが考えられます。
それぞれの組み合わせを見てみましょう。
(1)A-1 × B-1
AさんはBさんからの感謝を期待しており、BさんはAさんに感謝しているパターンです。Bさんが感謝の言葉を伝えることで、Aさんの欲求は満たされます。
(2)A-1 × B-2
AさんはBさんからの感謝を期待しているけれど、Bさんは当然だと思っている。Bさんは感謝の言葉を伝えないのでAさんの欲求は満たされないままです。
(3)A-2 × B-1
AさんはBさんからの感謝を期待していないけれど、BさんはAさんに感謝をしている。Aさんにとっては意外な出来事かもしれません。
Bさんに対する印象もアップするかもしれません。
(4)A-2 × B-2
AさんはBさんからの感謝を期待しておらず、Bさんも当然だと思っている。Aさんの人の良さに救われた感じでしょうか。
上記の中で一番厄介なのは、(2)のパターンです。
Bさんは当然だと思っているけれど、Aさんはそうは思ってはいません。
1つ1つは小さなことでも、これが積み重なっていくとこれを解消することは非常に難しくなります。
そうなってしまう前に、対処をしておきたいところです。
もしかすると、最近騒がれている熟年離婚もこういったことが原因なのかもしれませんね。
「当たり前」の落とし穴
私の友人に、感謝の言葉を伝えることがとても上手い人がいます。
仮に友人をTさんとします。
Tさんは、年齢や役職など一切関係なく、人が自分のためにしてくれたことに感謝をし、いつもすぐに、笑顔でその言葉を伝えます。
当然、Tさんは周囲の人からとても好かれていました。
それに対して、私は感謝の言葉を伝えることが苦手でした。
特に両親、そして、会社の上司に対してはそういった言葉を伝えることが少なかったと思います。
なぜ、そうであったのか?
その理由を考えてみたところ、こんな気持があったようです。
両親が子供の面倒を見るのは当たり前。
上司や先輩が後輩の面倒を見るのは当たり前。
「当たり前」のことに、人は感謝の気持を持つことは出来ません。甘えていたのかもしれません。
だから、特に身近な人に対して、感謝の言葉を伝えることを怠っていたのです。
この「当たり前」の落とし穴に今後、またはまってしまうことがないように…
しないといけないなぁ…、と今回改めて思いました。
実践!!
次のことを実践してみましょう!!
(1) この1週間は、周囲の人たちへ感謝の言葉を伝えることを意識してみましょう。「当たり前」の落とし穴に気をつけて。
以前、こんな記事を読んだことがあります。
JALの客室乗務員である高木さんが、プレジデントに書かれていたものです。
参考:PRESIDENT 2004/3/1号 「心の知能指数」より
顧客からクレームを受けた場合。
「申し訳ありませんでした。」と、謝るだけでなく、そういうときには、
「すごくいいご注意を頂きました。これから改善の提案の手続きをさせていただきます。」
と、お礼を伝えるのだそうです。
「謝る」だけでなく、「感謝の気持を伝える」。
仮に、自分がクレームをつけた立場であったと想像してみてください。
ただ謝られるだけでなく、感謝の言葉を伝えられたらちょっとびっくりしませんか?
感謝の言葉があることで、きっと、とても良いことをした気分になれると思います。
一歩進んだ、「感謝の言葉の伝え方」。
機会があれば、ぜひ皆さんも試してみて下さい。(^-^)
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