「雑談」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべられましたか?
以前の私は、プログラマーをしていた頃は、「雑談」=「無駄なこと」と思っていました。(^-^;;
もちろん、親しい先輩や同僚とのお喋りは大好きです。
当時の私は、プロジェクトやチームのメンバーと関係を円滑にする為のコミュニケーション、これを無駄な時間だと考えていました。そんなことより、仕事に集中して効率的にこなすことの方が、大切だと思っていたのです。
プロジェクトが大成功になった訳
トム・デマルコの著書、『ピープルウェア』の中にこんな記載があります。
ある企業に、ある女性エンジニアがいました。
管理職からの評価はいまいち。「プロジェクトで役に立っているとは思えない。」と厳しい評価をされていました。
ところが、この女性を調べてみると、彼女が12年間の在職中、携わったプロジェクトは全て大成功を収めていたことがわかりました。1週間、彼女を観察し彼女の同僚と話たところ、彼女はチーム内での「触媒」の役割を果たしているとの結論に達したのです。
彼女がいるだけで、チームの結束は固くなり、担当者間の意思疎通が良くなり、一緒にやっていこうという気になる。彼女が加わるとプロジェクは楽しくなったのです。
最初にこれを読んだ時には、「そんなこともあるんだ」くらいにしか思いませんでした。
「火消し」と呼ばれる存在
「火消し」という言葉が、一般的なのかどうかはわかりません。
私がいた会社では、赤字プロジェクト(火を噴いたプロジェクト)をなんとかする存在がいました。もちろん正式な役職ではありません。プロジェクトがまずい状態になったとき、彼らがプロジェクトマネジャー、あるいは、リーダーとして投入されるのです。
彼らが何をしているのか、観察してみるとある共通項がありました。
プロジェクトメンバーと、本当によくコミュニケーションをとっているのです。ふらふらとフロアを歩き回って、声をかけ、雑談をする。日々のちょっとした積み重ねが、信頼関係を作っていくのですね。
前々職の先輩に、Iさんという方がいます。
私は、彼と一度も一緒に仕事をしたことがありません。Iさんは、私の席の近くにくるといつも声をかけてくれました。
技術的なことを、私に尋ねてきてくれたこともあります。
「いや~、俺は、ほら、全然わからないから。頼りにしてるよ。」
その言葉が、何だか嬉しかったことを覚えています。
「Iさんの為なら、ちょっとくらいの無理もできる。」
気がつけば、そんな気持になっていました。ちょっとした積み重ねの中で、私はIさんのファンになってしまっていたのです。これってすごいことですよね。
もし、私がIさんのプロジェクトのメンバーだったら…Iさんの為に、頑張って仕事をしたと思います。
Iさんも、「火消し」ができるプロジェクトマネジャーの1人です。私は、Iさんと接することで、雑談は、決して無駄なものではないと、やっと理解することができたのです。
雑談の意味
「雑談」の意味を辞書で引くと
『さまざまなことを気楽に話しあうこと。』
と、ありました。
「気楽に話し合える関係」を築くことが、雑談をする目的なのかもしれません。
実践!雑談をしてみましょう
次のことを実践してみましょう!!
そして、彼らが雑談をどのように使っているか、観察して下さい。
観察の結果はいかがでしたか?
きっと、彼らはとても自然に雑談を使いこなしていたのではないでしょうか?
雑談がうまい人は、大きく2つのタイプに分かれます。
1.自分から話すタイプ
基本的に、話すことが大好き。話すことは自然なことで、話題も豊富です。
2.聞き役にまわるタイプ
「元気?」、「最近どう?」など、簡単な質問を投げかけて、相手の話を聞き出していくタイプです。
もし、あなたが雑談を苦手とするのであれば、2のタイプを真似てみるのはいかがでしょうか?
聞くスキルや、質問のスキル、ペーシングなどを活用して。
その時は、『話す』ではなく、『相手から話を引き出す』ことに意識を向けることがコツです。
コメント