フィードバック・クエスチョンは、『「話す力」が面白いほどつく本』(櫻井弘著)で紹介されている言葉です。
この”フィードバック・クエスチョン”は”折り返し質問”とも呼ばれています。ネットで検索したところ、”折り返し質問”のほうがよく使われる表現のようですね。
もしかしたら、著者の方の造語なのかもしれません。
フィードバック・クエスチョン
フィードバック・クエスチョンとは、『相手からの質問の内容を、繰り返して確認する質問』のことをいいます。
例えば、部下から次のような質問をされたとします。
「プロジェクトの進捗に1週間ほど遅れがでています。どうしたらいいでしょうか?」
このとき、
「進捗が遅れていると言う話だけれど、具体的にどんな状況なのかもう少し詳しく説明してくれるかな?」
といったように質問に対して、質問で返す手法になります。
きっと、皆さんもよくこういう質問を使われているのではないでしょうか?
”フィードバック・クエスチョン”というとなんだか仰々しい表現ですが実は、日常とてもよく使っている質問です。
つまり、相手の質問が曖昧だったり、相手の質問の意図を確認したいときなどに使う質問のことを“フィードバック・クエスチョン”といいます。
お互いの誤解を減らす
コーチング・セッション時に、私は、”フィードバック・クエスチョン”をよく活用していました。
なぜなら、クライアントの考えや意図をできるだけ理解したいからです。
私はもともとが、思い込みの激しいところがあり、、
「○○さんが言っているのはこういうことなんだろうなぁ~」
なんて、勝手に判断してしまう傾向があります。
だから、何かひっかかることがあった時、あるいは、気になることがあった時には必ず詳細を確認するための質問を投げかけるようにしています。
セッション以外でも、相手の話を聞いていて「あれ?」とか、「おや?」とか心の中にクエスチョンマークが出てきたときには”フィードバック・クエスチョン”を使って確認してみます。
すると、かなりの確率で私が思い違いをしていたりします。
“フィードバック・クエスチョン”をうまく活用することで、お互いの誤解が少なくすることができます。
困ったときの必殺技?
このように、かなり使える”フィードバック・クエスチョン”ですがこれが逆に、私をいらつかせる原因になったこともありました。
昔の話ですが、こんなことがありました。
「この会社のビジョンを、○○さんはどう考えているんですか?」
こう、上司(経営層の方でした)に質問したことがあります。
すると上司はこう質問してきました・・・
「ひろみさんはどう思う?」
言葉にこそしませんでしたが。
”私のビジョンじゃなくて、経営層が何を考えているか知りたいのに、何で・・・・・・????”
まさか質問を返されるとは思っていなかったので、これには面食らいました。
もしかすると、コーチングを勉強されていた方で、コーチングの手法を使ったつもりだったのかもしれません。
でも、正直このときにはこう思いました。
”この人、何も考えていんだな・・・”
上司が自分の考えや意見を述べることなく、
「~さんはどう思う?」
と、いった質問ばかりを繰り返すのは個人的にはいかがかと思います。
“この人は何もわからないから、私の意見ばかり聞いてくるのだな”
そう判断してしまうでしょう。
実際、同僚とランチをしながら良くそんなことを話していました。
もし仮に、上司がわからないことや、考えてもいなかったことを部下から質問されたとしたら?
ひとこと、「わからない」「考えていなかった」と、正直に伝えてみてはどうでしょうか。それから、”フィードバック・クエスチョン”を使って、部下の意見を聞く。
普段、頼りにしている上司から、頼りにされたら、きっと部下だって嬉しいですよね。
フィードバック・クエスチョン活用事例
”フィードバック・クエスチョン”使ってうまくいった事例をお伝えします。
それは、転職面接のとき。
面接官の質問の意図がわからなかったり、あるいは、そもそも、何をいっているかわからなかったり。
そんなときこそ、”フィードバック・クエスチョン”の出番です!!
「○○と仰られていましたが、もう少し具体的に説明していただけますか?」
さらに詳細な説明を受けることで、考える時間もできるし、情報も増えるので回答がしやすくなります。
ときには、質問の回答を全て面接官が話してくれたこともありました。
このときは、私はただ聞いていただけ。
このように、”フィードバック・クエスチョン”は多用しすぎなければ、とても効果的な質問法だと思います。
ぜひ、みなさんも“フィードバック・クエスチョン”を、効果的に使ってみてください!!
実践!!
次のことを、実践してみましょう!!
- フィードバック・クエスチョンを活用してみましょう。フィードバック・クエスチョンを使う場合と、使わない場合では、どんな差があるのかも意識してみて下さい。
さて、いかがだったでしょうか??
私も、自分自身のこと、1週間意識してみました。
すると・・・やはり、フィードバック・クエスチョンを多用していました。
コーチングを学び実践している中で、知らず知らずのうちに、身についていたんでしょうね。
以前の私は、どちらかといえば、詰問調。
例えば、
「プロジェクトの進捗に1週間ほど遅れがでています。どうしたらいいでしょうか?」
部下からのこんな質問があったら、
「1週間も?何が原因で遅れているの?!」
かなりきつい口調で部下を責めて、萎縮させてしまっていたと思います。
ビジネスですから、”時には厳しく”も、もちろん必要だと思います。
でも、情報を引き出すのであれば、話しをしやすい雰囲気だったり、言葉遣いを意識したいものです。
そんなときに、フィードバック・クエスチョンなんてものがあったな~なんて思い出していだけたら嬉しいです。
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